「ファルージャ イラク戦争日本人人質事件…そして」をみて

伊藤めぐみ初監督作品
ファルージャ イラク戦争日本人人質事件…そして」

http://fallujah-movie.com/comment.html

↑ぜひほかの方のコメントもご覧ください。
 寝不足のこの頃だけど、胸がざわついてとてもここに書かなければ寝られない。

名古屋シネマスコーレでは、今週2/28まで10時20分〜12時の枠で上映しています!
 ぜひぜひお近くの方に広めてください。

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先月6年ほどぶりに、めぐみちゃんから連絡をいただいた。
 その時点でもっともっと幅広く告知をお手伝いしたかったけれど、
 自分がみられずに転送することがあまりできずにいました。
 今日家族の協力でやっと子どもを預けてみることができました。
 

私が彼女に会ったのはイラク戦争真っ只中ちょうど10年前ではないだろうか。
 ビルマからの難民であるココラットさんの講演会の冒頭、
 記憶が確かなら講演会主催の彼女が「今は戦後でしょうか?」というような問いかけをしたのを思い出した。


戦争は終わってなんかいない。


その現実を、当時から直視しようと、本当のことをしろうと、
 そして人として当たり前にわく気持ちを訴えようと、
 そんなまっすぐな人だったと思う。
 初めて会った後、もう一度彼女に会いたくて、父の死後、
 他の愛すべき方方も交えて実家に招待したことがある。
 そのときは、初めて会った頃ずっと首から下げていたイラクの子の写真をしていなかった。
 彼女の中で何かがとまった。
 その止まったものをもう一度自分の手でしっかり丁寧に確認した。
 その情熱を感じられた作品だった。



「自分の出発点を整理する意味も含めての映画制作」だったと、映画の案内を送ってくれた。
 戦争、メディア、国家だけでなく、自分の立ち位置・生き方を再確認させられる映画だった。


以下箇条書きだけど、思いだしたことや印象に残ったことを記しておきたいと思います。

・高遠さん、今井さんのご家族の器の大きさに感動しました。
 わが子を信じ、家族にも向けられた刃すら丸ごと受け止め、社会のために働いてきなさい!と背中を押せる肝の据わった親に胸が熱くなりました。


・{NGOなみだの分かちあいアジア}主催の
 http://d.hatena.ne.jp/sta-blog/
 タイスタディツアーに行く前に聞いた、ビルマ軍による少数民族への攻撃と命令によるレイプ。
 民族を滅ぼすための残酷な戦略。
 私ははじめてこの話を聞いて体が震えて涙が止まらなかった。
 その翌年、現地の人に会いたいと思いスタディツアーに参加した。

たくさんの人に会った。
 難しい現実も、活動する人たちの熱意も感じて激しい体験にだった。
 でも、私はそこにとどまることはできない。
 帰国後、自分は日本で何をするのか。
 知ってしまったから、会ってしまったから、その責任を自分の生き方で返したい。
 そう願って今に至っている。はずだった。


このことを、思いだした。
 映画では、濃縮ウラン弾の影響と思われる、先天性奇形のこどもや、妊娠しても流産を繰りかえしてしまう女性が登場する。
 民族を、次世代を破壊する残酷な攻撃は10年後のいまも続いている。
 小さな命の悲鳴が、世界にこの世の行く末を警告しているようで
 その消えゆく体の重さ、温度をわが子の感触と重ねて想像すると涙が出た。


原発事故の収束も含め、これから身近にせまっていること忙しさのせいにせず
 追っていきたい。難しいけどできるかぎり。


ファルージャをみた責任として、自主上映をいつしかやってみよう、
 と旦那と話しました。
 子どもにはショッキングな映像も入っているけれど、
 「意識」のある、世のお母さんたちにももっと見てもらいたい。


・思想なき政治、同盟関係最優先の危うい日本の判断基準にもっと声をあげていかないといけない。
 他人事じゃない。
 めぐみちゃんの言うとおり、今日見たイラク、他の地域の紛争も知らないだけで加担しているんだ。


・(森達也さんがサイトでいってた?)
 日本は戦争に関しても何に関しても責任を国民が追究しない国だというようなことを読んだことがあるけれど
 この映画できっぱりとその責任を問うている。国に、見る人一人一人に。
 

自衛隊を撤退しなかった日本政府と、
 その国民の命を守らない国家にあきれ驚き
 イラクの人のために働く人質3人を最後には解放した武装勢力
 どちらが人道的だったか。
 はじめて彼らの声明文をしっかり聞いて驚いた。


・高遠さんが、規模や人数にこだわらずニッチな需要を引き受ける活動を続けている姿に、励まされた。
 今井さんは、自信を失いかけている若者に
 高遠さんは、イラクで傷ついている人たちに よりそっている。


 引き受ける重みやフィールドは違うけれど、
 私は、妊婦さんをはじめ、女性によりそって活動していきたい。
 その熱意を確認した。

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久しぶりに、ただただ感動の鳥肌とも違う、
 強烈に率直に問いかけられたぞわぞわした気持ちで映画を見ました。
 みないでは落ち着かないと、この2週間を過ごしてきたので
 ダンナがそんな私を見かねて「行っておいで」と言ってくれた。
 あらためて多謝。


そしてめぐみちゃん、また会いたくなりました。
 ありがとう。