2016-03-24から1日間の記事一覧

心配事

おにいちゃんだよ〜 おねえちゃんだよ〜 と交互に抱きついてくる。「おなかの赤ちゃんだ〜い好き!だってやさしいもん!」 もう通じているのかい。自称かっこいいお兄ちゃんと 自称可愛いお姉ちゃんにくちゃくちゃにされる覚悟を もうしているのかい。おっぱ…

同居

食べ物を分かち合い電気も放射能もあらゆる汚染も分かち合い笑顔も悲しみも戦渦もすべて分かち合えるなら 一緒に滅びようって言えるのに。私は 私だけは今は死ねない。絶望と意志。よろこびと破滅。

母の血

子どもが腹で動きまわり 生まれ出たとたん 自分と異なる圧倒的な存在感に改めて孤独を突き付けられるそんなことはどうでもいいなんとしてもただ、肌身離さずこの子と生き残るんだ。

あずかっている

救いたいのは何かと問われて 口をついて出たのは 地球。そういえば 幼いころ「惑星の自動販売機」なるものを工作したっけ。値段はどれほど付けただろう。無邪気な風刺か。今この地に生まれようとする 勇敢な子どもたち。貧しい庭に 今年も 水仙が咲いた。

火加減

なぜ火は熱いのかと 息子に問われて熱いとは 激しく動いていることだと 答えてみた。あぁ。私がカッカと燃えているのも そろそろお休みしてもいいのかもと。灰をならしてやっと 一服を覚えた。

育児休業

おなかに宿る前3年おなかに宿って1年おっぱいあげて1年これで私の育児は終わり。あとは 育ててもらうばかり。

いつも私が抱きしめられている

風が強い。とっくに抱き上げられている子が「抱っこしてあげる」と両の手をめいっぱいのばして私を包んでいる「だっこして」は「だっこしてあげる」の略なのだ。拒んでみせても本当に抱かれたいのはいつも 親。

はかなきもの

寝顔に見入るときその死顔も みている果てゆく存在に絶対的な美しさを信じずにいられないまた 呼吸を確かめる

太陽

季節が移りかわるより少しも早くなく遅くなく日の出とともに ぴかぴかに目覚めるのだおてんとうさまが 隣に寝ている